開発虎ノ門コンサルタントの歩み

[1953〜]

橋梁免震技術開発

1988年(S63)

「地震大国」と呼ばれる日本において、構造物を地震から守ることは生活インフラの安全確保の観点から、最重要課題の一つとなっているが、我が社では耐震設計概念から更に進歩した、免震技術の開発と応用にいち早く力を入れ、免震設計技術の確立に貢献してきた。平成元年には我が国最初の免震橋となる宮川橋(3径間連続鋼I桁橋、静岡県)の設計を手がけ、更に平成4年には超多径間連続免震橋を含む大仁高架橋(PC29径間連続中空床版橋、静岡県)等の設計や現場管理を含めた多くの課題を明らかにすると共に、その後にも数多くの免震橋梁設計の実績を積み重ねてきた。
中でも、平成4年には免震橋梁の要となる免震支承設計の特性値算定ソフトの開発を行い、施工・設計会社の二十数社に提供したこと。また、大学や公的機関との共同研究・受託研究あるいは委員会参加など、免震設計のリーディングカンパニーとしての研究活動や学会イベント等への積極的参加もしてきた。
平成8年には建設省土木研究所よりの業務委託で、超多径間連続橋梁の可能性解析を行い、2kmもの連続桁長が可能であるとの結論を得た。平成10年には、施工された大仁高架橋の地震時観測記録の分析を行い、橋の挙動と免震効果の検証を実施した。この免震設計技術の開発は常に継続され、平成5年~平成8年の建設省土木研究所、㈶土木研究センター及び民間19社による共同研究「高減衰材料を用いた長大橋の免震技術の開発」に参加するなど免震技術を蓄積し、今日に至っている。