開発虎ノ門コンサルタントの歩み

[1953〜]

プレキャスト壁高欄開発

2010年(H22)

道路橋の壁高欄は、一般に、場所打ちコンクリートで構築され、その補修・補強も場所打ちが主体的であったが、近年では、安定した品質、強度、耐久性の向上、省力化、工期短縮、施工環境改善等を考慮して、JIS工場で製作されるプレキャスト製の壁高欄も見受けられるようになってきた。しかし、これら従来製品の接合工法では、既設床版を貫通させた鉛直接合ボルトや、橋梁軸方向には壁高欄内に配置したPC鋼材の緊張作業などが伴い、施工性、経済性、耐久性等に課題があると思われる。
また、防護柵の基準も、時代とともに改訂が行われ、現時点で基準を満足しない防護柵も見受ける。さらには、凍結防止剤の散布により、塩害を発症したものも多くあり、維持管理対策が必要な防護柵も存在する。
これら課題を解決すべく、プレキャスト壁高欄の接合工法を3社共同で開発した。当工法の開発により、既設床版への削孔作業やPC鋼材の緊張作業を伴わない強固な接合工法を提供でき、主に道路橋の壁高欄の新設や補修・補強を目的とした壁高欄の取替えを効率的かつ容易に実現できる。特に、大掛かりな交通規制が伴うRC床版の更新事業への適用性は高く、工場製作されたプレキャスト床版等と当該プレキャスト壁高欄との組み合わせにより、スピード施工の実現と工期短縮に貢献できるものと考える。